昨日の夢の続きを話そう
「……私も、さっきの話で砂岡くんに聞きたいことがあるんだけど」
「ん?」
ハンサムに首を傾げた相手に、私は聞いた。
どうして私には、砂岡くんと同じベジスープは作れないの?って。
すると彼が答えた。臆することもなく。
「だって俺には、香澄さんにはないものがあるからだよ」
「私には、ないもの……?」
料理の手腕とか、経験とか言われたらもうどうしようもない。けど、コーヒーひとつとっても、私と砂岡くんとじゃ味わいが全然違うのだもの。
きっとそういうものなんだ、と、見限った矢先。
「さっきさ、あの男が来る前に香澄さん、俺に聞いたよね? ほかに隠し味があるか、って」
「う、うん」
「あるよ。香澄さんへの、愛情だよ」
向かい合って、砂岡くんは正座する私の両手を取った。
「え……っ」
「でもさっきは、ガキみたいな意地悪な言い方になっちゃってごめんね。これからはひとりで作るって言われて、もう俺はお役御免だって突っぱねられたみたいで、寂しかったんだ」
「そ、そんなつもりは……そもそも私が勘ちが」
「好きだよ、香澄さん」
言葉を遮った砂岡くんは、私の体をぎゅっと抱きしめた。
最初は驚いて、忙しなく眼球をキョロキョロ動かしてた私だったけど、やがてすっぽりと埋まる砂岡くんの体温や、私のとリンクする心臓のリズムに心地よさを感じて。
砂岡くんに背中をとんとん、と、撫でてもらってるみたい。
いろんな感情が身体中をめぐって、風船だったらばん!って張ちきれそうなくらい、いとしさで胸がいっぱいになってゆくような気がした。
「私も、大好き。」
と、言うや否や。
まるでその返事が合図だったかのように、私の体は背後に押し倒され、背中はたちまち絨毯の上。
「ん?」
ハンサムに首を傾げた相手に、私は聞いた。
どうして私には、砂岡くんと同じベジスープは作れないの?って。
すると彼が答えた。臆することもなく。
「だって俺には、香澄さんにはないものがあるからだよ」
「私には、ないもの……?」
料理の手腕とか、経験とか言われたらもうどうしようもない。けど、コーヒーひとつとっても、私と砂岡くんとじゃ味わいが全然違うのだもの。
きっとそういうものなんだ、と、見限った矢先。
「さっきさ、あの男が来る前に香澄さん、俺に聞いたよね? ほかに隠し味があるか、って」
「う、うん」
「あるよ。香澄さんへの、愛情だよ」
向かい合って、砂岡くんは正座する私の両手を取った。
「え……っ」
「でもさっきは、ガキみたいな意地悪な言い方になっちゃってごめんね。これからはひとりで作るって言われて、もう俺はお役御免だって突っぱねられたみたいで、寂しかったんだ」
「そ、そんなつもりは……そもそも私が勘ちが」
「好きだよ、香澄さん」
言葉を遮った砂岡くんは、私の体をぎゅっと抱きしめた。
最初は驚いて、忙しなく眼球をキョロキョロ動かしてた私だったけど、やがてすっぽりと埋まる砂岡くんの体温や、私のとリンクする心臓のリズムに心地よさを感じて。
砂岡くんに背中をとんとん、と、撫でてもらってるみたい。
いろんな感情が身体中をめぐって、風船だったらばん!って張ちきれそうなくらい、いとしさで胸がいっぱいになってゆくような気がした。
「私も、大好き。」
と、言うや否や。
まるでその返事が合図だったかのように、私の体は背後に押し倒され、背中はたちまち絨毯の上。