昨日の夢の続きを話そう
「えっと、じゃあ、香澄さんがポスターで見たと思ってた、ずっと憧れてた白い家ってもしかして……ここ?」
とても勘のいい、冴えてる史くんは確認するように私に聞いた。
私はゆっくり頷くと、車を降り、ぎこちない動きで一歩一歩進み、レストランの前に立った。
入口の脇には細長いプランターがいくつかあって、黄色とオレンジのナスタチウムが咲いている。
海面を撫で、湿気を帯びた風にくすぐられ、笑うようにそよそよと揺れていた。
「すごい、なんか運命みたいなものを感じるな」
史くんは私の手をそっと握る。
感動して、高揚して、小刻みに震えている私の手を。
そして鍵を開け、レストランの中に入った。
「すごくステキ……」
思わず溜め息がもれた。
白を基調とした、清潔感のある室内。
オシャレで可愛い小物はマリンテイストで、赤、青、白のトリコロールカラーで揃えられている。
「ありがとう。ナスタチウムの苗を預かってくれてた常連さんの息子さんが大工でさ、いろいろと手伝ってくれて。お孫さんが内装とかやる人で、こんな風にオシャレにしてくれたんだ。やっぱじいちゃんの人柄だよ。人徳っていうか」
新しい内装の匂いに混じって、レストランの中はほんのりと甘い香りがした。
史くんが作るあの野菜スープのような、淡い甘さ。
ここに、たくさんのお客様が笑顔で集う光景が、今にも目に浮かぶ。
「でもまだまだ俺はじいちゃんの足元にも及ばないひよっこだからさ、一緒に働いてくれるスタッフがひとりもいないわけ。香澄さん、仕事探してるとか言ってたけど、もし嫌じゃなければ手伝ってほしいな」
「え__」
「あ。特典として、魔法のスープがいつでも食べ放題です」
とても勘のいい、冴えてる史くんは確認するように私に聞いた。
私はゆっくり頷くと、車を降り、ぎこちない動きで一歩一歩進み、レストランの前に立った。
入口の脇には細長いプランターがいくつかあって、黄色とオレンジのナスタチウムが咲いている。
海面を撫で、湿気を帯びた風にくすぐられ、笑うようにそよそよと揺れていた。
「すごい、なんか運命みたいなものを感じるな」
史くんは私の手をそっと握る。
感動して、高揚して、小刻みに震えている私の手を。
そして鍵を開け、レストランの中に入った。
「すごくステキ……」
思わず溜め息がもれた。
白を基調とした、清潔感のある室内。
オシャレで可愛い小物はマリンテイストで、赤、青、白のトリコロールカラーで揃えられている。
「ありがとう。ナスタチウムの苗を預かってくれてた常連さんの息子さんが大工でさ、いろいろと手伝ってくれて。お孫さんが内装とかやる人で、こんな風にオシャレにしてくれたんだ。やっぱじいちゃんの人柄だよ。人徳っていうか」
新しい内装の匂いに混じって、レストランの中はほんのりと甘い香りがした。
史くんが作るあの野菜スープのような、淡い甘さ。
ここに、たくさんのお客様が笑顔で集う光景が、今にも目に浮かぶ。
「でもまだまだ俺はじいちゃんの足元にも及ばないひよっこだからさ、一緒に働いてくれるスタッフがひとりもいないわけ。香澄さん、仕事探してるとか言ってたけど、もし嫌じゃなければ手伝ってほしいな」
「え__」
「あ。特典として、魔法のスープがいつでも食べ放題です」