昨日の夢の続きを話そう
そんな贅沢な幸せが、あってもいいのかな。
開いた口が塞がらず、私はすがるような目で史くんを見た。


「……私、ここに、いてもいいの?」
「もちろん。ずっと俺のそばにいてよ」


胸の奥が、きゅんと軋む。
手を繋いだままの史くんが、真横から私の顔を覗き込む。


「香澄さん? あ、なんかまた俺、困らせた?」
「ち、ち、違うの!」


間髪入れずに発すると、史くんはきょとんとした顔つきで私を見た。


「そ、そういうこと、言われたことないから……。男の人にもあまり免疫がないし、それに、そんな風に言ってもらえるなんて、嬉しすぎてその……私、どう反応していいか、わからないの……」


言葉を最後はフェードアウトさせて、私は俯いた。
頬が火照って熱くなってきた。


「つまり、照れてるの?」


史くんはふっと、どこか呆れたように微笑んだ。


「免疫なんてつける必要ないよ」


サイドから、不器用に寄りかかるようにして私を抱きしめた史くんは、甘えるように肩に顔を埋める。


「だってもうこれからは、俺以外の男と触れ合う機会なんてないでしょう?」
「ま、まあ……」


緊張して、裏声みたいな声が出てしまう。
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