愛色SHERBET
「それじゃあ空斗くん、愛華のことよろしくね」
「はい!任してください」

母の目を見てハキハキと返事をし、ソラちゃんは家の前に駐輪してあったシルバーの自転車にまたがった。



「え?私自転車持ってない・・・」

「知ってるよ?」
さも当然のように言って、早く早くと手招きするソラちゃん。
私の肩からスクールバッグを取って自分のリュックサックと共に前かごへ放る。


どういうこと?と慌てて母を見ると、母は両手を顔の前で合わせわざとらしく舌を見せている。


「すまーん、自転車すっかり忘れてたー」

家の中から飛んできた声は、作業着の青年と一緒にダンボール箱を運んでいる最中の父のものだった。


心無しか面白がって笑っているような気が・・・




「乗って乗って」
「え、でも、私重い・・・」
「いーって」

手を引かれ、半ば強引にソラちゃんの後ろに座らされた。

自転車なんて久々だ、まして2人乗りなんて…


「え、ちょっこわ…」
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