愛色SHERBET





水羽(みずわ)高校。
ソラちゃん曰く、『自称進学校』。

一学年あたり生徒数300人以上(10クラス)の、この辺じゃ結構なマンモス校らしい。

3学年足すと1000人を超えるか超えないかで、転入生の私にとっては初対面揃いの場所だ。

小学生だった頃の顔見知りが校内に十数人いるかもしれないが、この多い教室の数では自分のクラスに1人いれば上等な方だろう。


だが。こんな偶然ってあるだろうか。

「まさかソラちゃんと同じクラスになるとは…」

「俺やっぱ運いいわ」
嬉しそうに呟いたソラちゃんは、鼻歌混じりに新2-1教室の扉をガラガラと開けた。


教室を覗いてみると、まあ当然だけど知らない顔ぶればかり。
教室内にはところどころグループが出来ているようだ。

もうすでに新しいクラスに馴染んでいる人もいれば、緊張してるのかそわそわと落ち着きがない人もいる。
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