男性恐怖症なんて関係ない!?



「はぁーい!まずは腹式呼吸の練習をします!
2年生で初めてこの授業をとった人と1年生はまず、授業に出たことある人のお腹に手を置いてください!」



は?
何であたしが、男の人のお腹に手を?
置いた手が余計に震えだした…。



「お腹が膨らむのが分かるかな?
歌を歌う時は腹式呼吸この呼吸で歌います!」



教え方が上手なのは、分かったけど…。
あたしの体がもたない。
ほんとにヤバい…



「お前大丈夫か?」

「ほぇ?…あ…いや…」

「手、震えてんぞ」

「あっ…!す…すみません…」


そりゃバレるよね?
呼吸だってさっきから苦しくて…息するのが精一杯で…ほんとにすごく危機なんですけど…



葵は?というと…
相変わらず目を♡にして…



「では、次交代してねー!
教えてあげてよ?うまく出来るかな?」


ダメだ…いつもなら出来るのに…
うまく呼吸ができない…
だんだん呼吸は早くなるし…手の震えも増してくる…立ってることが精一杯で…



「…っと」

「…す…すみません…」


「ほんと大丈夫か?お前」

「は…は…はい…」


「てか、大丈夫じゃねーよな?」


なになに?
さっきまでの悪魔のような貴方はどこへ?
どっちが本性?
いやそういう問題じゃない…どっちが本性かなんてどうでもよくて…お願いだから離れて…


「大丈夫だ、誰にも見えてない」


いや
そんな事どーでもいいんだって…

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