男性恐怖症なんて関係ない!?
「裏山?
ダメか…。璃々?」
声に反応することは無い…。
「大丈夫…大丈夫だから…。
何もしないよ?どこが痛い?聞こえる?」
かすかに反応する璃々…
「大丈夫…ゆっくり深呼吸すれば痛くなくなるよ?
誰もいないからゆっくり深呼吸して?」
昨日のオーディション…こいつには相当キツかったと思う…それに今朝の朝練…。
トラウマはそんなすぐに消えるものじゃない…。
ふと…裏山のカバンから顔を覗かせていた薬が見えた…。
「精神安定剤…」
元カノとは比べ物にならないほどよわりはてている裏山璃々…。
無性に守りたくなった…。
あれからどれだけだっただろう…
気づくと少し落ち着いた様子の璃々が話出した…。
「…すみません…迷惑かけて…。」
「大丈夫…。迷惑なんて思ってねぇーし」
「でも…」
「でもは禁止!な?」
「…はい。」
俺は咄嗟に聞いた…
「アレ…。飲んだのか?」
「あっ…。」
「無理するなよ?
あいつらが見てもなにかわかんねーよ…。」
「良かった…。」
「じゃ!後でな?」
「…はい。」
俺は部屋から出た…。