一途な小説家の初恋独占契約
「え、嘘。渋谷さん、帰国子女の上に、旦那さんはイギリス人って言ってましたよね……?」
「無理無理、こんなイケメンと直接話せるわけないっ!」
ぶるぶる震えて話しにならない二人に、ジョーが困ったように微笑む。
それだけで、二人揃って、赤らんだ頬に手を当てた。
「初めまして。ジョー・ラザフォードです。どうぞよろしく」
ジョーが手を差し出す。
「え、え、握手!? いいの!?」と目で尋ねる二人に私が頷くと、おずおずとそれぞれ手を差し伸べた。
ジョーの大きな手が、しっかりと二人の手を握る。
「……もう手、洗えない……」
「あはは。ジョー先生、渋谷さんは、原書を読むほど『シークレットロマンス』がお好きなんですよ」
「そうですか。ありがとうございます」
二人の反応を見ても、全く動じないジョーに、二人も段々と落ち着きを取り戻す。
「それで、サイン本を置かせていただけるということなんですけど……」
「あっ、はい。せっかくなので、あちらにコーナーを作ろうと思います。単行本と文庫本を合わせて展示しようかと」
「ありがとうございます。ジョー先生が色紙も作ってくださったので、差し支えなければ、そちらも置かせていただいても?」
「もちろん、ぜひ!」
お店の裏の事務室に入らせてもらい、ジョーには、そこでサインしてもらうことにする。
その間、私は店頭で売上や在庫を確認した。
「アメリカの出版情報サイトで写真はチラッとは見てたんだけど、ジョー先生がこんなにイケメンだとは思わなかったわ」
未だ興奮さめやらぬ渋谷さんが話しかけてくる。
「さすが海外情報もお詳しいですね。私なんて、昨日まで、ジョー先生が男性だったことさえ知らなかったんですよ」
「日本では、まだほとんど知られてないんじゃないかな」
「明日、DVDの発売イベントに登壇したら、少しは話題になると思うんです」
「少しどころじゃないと思うよ」
「そうだと良いんですけど。この機会に売上を伸ばしたいので、よろしくお願いします」
「無理無理、こんなイケメンと直接話せるわけないっ!」
ぶるぶる震えて話しにならない二人に、ジョーが困ったように微笑む。
それだけで、二人揃って、赤らんだ頬に手を当てた。
「初めまして。ジョー・ラザフォードです。どうぞよろしく」
ジョーが手を差し出す。
「え、え、握手!? いいの!?」と目で尋ねる二人に私が頷くと、おずおずとそれぞれ手を差し伸べた。
ジョーの大きな手が、しっかりと二人の手を握る。
「……もう手、洗えない……」
「あはは。ジョー先生、渋谷さんは、原書を読むほど『シークレットロマンス』がお好きなんですよ」
「そうですか。ありがとうございます」
二人の反応を見ても、全く動じないジョーに、二人も段々と落ち着きを取り戻す。
「それで、サイン本を置かせていただけるということなんですけど……」
「あっ、はい。せっかくなので、あちらにコーナーを作ろうと思います。単行本と文庫本を合わせて展示しようかと」
「ありがとうございます。ジョー先生が色紙も作ってくださったので、差し支えなければ、そちらも置かせていただいても?」
「もちろん、ぜひ!」
お店の裏の事務室に入らせてもらい、ジョーには、そこでサインしてもらうことにする。
その間、私は店頭で売上や在庫を確認した。
「アメリカの出版情報サイトで写真はチラッとは見てたんだけど、ジョー先生がこんなにイケメンだとは思わなかったわ」
未だ興奮さめやらぬ渋谷さんが話しかけてくる。
「さすが海外情報もお詳しいですね。私なんて、昨日まで、ジョー先生が男性だったことさえ知らなかったんですよ」
「日本では、まだほとんど知られてないんじゃないかな」
「明日、DVDの発売イベントに登壇したら、少しは話題になると思うんです」
「少しどころじゃないと思うよ」
「そうだと良いんですけど。この機会に売上を伸ばしたいので、よろしくお願いします」