一途な小説家の初恋独占契約
硬い腹筋に額がぶつかる。
ベッドに逆戻りしようとした私の後頭部を大きな手のひらで支え、ジョーは私のぼさぼさの髪を手櫛で整える。
「おはよう、汐璃」
「お……おはよう、ジョー! ごめんなさい、寝坊しちゃって」
「もしかして……眠れなかった?」
ジョーのお腹に顔を押し付けたまま、私は唇を噛む。
寝起きだったせいか、顔を合わせていないせいか、間近で感じる体温のせいか、私は素直に頷いた。
「……うん」
「僕も」
「え……?」
顔を上げようとした私を押さえ込み、ジョーはそのままの姿勢で続ける。
「昨日は、カッとなってしまって、ごめん。汐璃に怒ってたわけじゃないんだ。汐璃が仕事のことを気にするのも、当然だと思ってる。汐璃の優しさを疑ったわけじゃない。ただ、少し……寂しくなっただけだ」
「寂しい……?」
ジョーは、そこで溜め息をついた。
そこに倦怠感はなく、どこか甘さを含んだ吐息だった。
「汐璃といられないなんて、日本に来た意味がない。今日も、一緒に来てくれる……? 汐璃が部屋から出てこないから、もう一緒にいてくれないんじゃないかって、気が気じゃなかった」
髪を梳いていた手を止めて、両手で私の頭を持ち上げる。
同時に身を屈めた。
もう何をしているのか、分かる。
また、髪にキスされてるんだ……。
ジョーは、そのまま私の頭を搔き抱き、頬ずりをした。
「……汐璃……僕を独占してくれるんだろう……?」
耳元で熱い溜め息をつき、こめかみにキスを落とす。
寝起きの心臓が、猛スピードで駆け出し、体温がグングン上昇していく。
でも、ジョーからも、速い鼓動が伝わってくる。
「ジョー……」
呆然とされるままになっていた私は、恐る恐るジョーの身体に手を回す。
そっとわき腹の辺りに手を置くと、ギュッと抱き込まれた。
ベッドに逆戻りしようとした私の後頭部を大きな手のひらで支え、ジョーは私のぼさぼさの髪を手櫛で整える。
「おはよう、汐璃」
「お……おはよう、ジョー! ごめんなさい、寝坊しちゃって」
「もしかして……眠れなかった?」
ジョーのお腹に顔を押し付けたまま、私は唇を噛む。
寝起きだったせいか、顔を合わせていないせいか、間近で感じる体温のせいか、私は素直に頷いた。
「……うん」
「僕も」
「え……?」
顔を上げようとした私を押さえ込み、ジョーはそのままの姿勢で続ける。
「昨日は、カッとなってしまって、ごめん。汐璃に怒ってたわけじゃないんだ。汐璃が仕事のことを気にするのも、当然だと思ってる。汐璃の優しさを疑ったわけじゃない。ただ、少し……寂しくなっただけだ」
「寂しい……?」
ジョーは、そこで溜め息をついた。
そこに倦怠感はなく、どこか甘さを含んだ吐息だった。
「汐璃といられないなんて、日本に来た意味がない。今日も、一緒に来てくれる……? 汐璃が部屋から出てこないから、もう一緒にいてくれないんじゃないかって、気が気じゃなかった」
髪を梳いていた手を止めて、両手で私の頭を持ち上げる。
同時に身を屈めた。
もう何をしているのか、分かる。
また、髪にキスされてるんだ……。
ジョーは、そのまま私の頭を搔き抱き、頬ずりをした。
「……汐璃……僕を独占してくれるんだろう……?」
耳元で熱い溜め息をつき、こめかみにキスを落とす。
寝起きの心臓が、猛スピードで駆け出し、体温がグングン上昇していく。
でも、ジョーからも、速い鼓動が伝わってくる。
「ジョー……」
呆然とされるままになっていた私は、恐る恐るジョーの身体に手を回す。
そっとわき腹の辺りに手を置くと、ギュッと抱き込まれた。