キングの餌食になりまして。
あっさりそう言い切ってしまうところが怖い。
あたしの態度が違っていたら、愛してはもらえなかったということだから。
「謀ってごめんね」
「はかった……って?」
「とても単純なハナシさ。君がどんな人間か知りたくなったから何度も試すようなことした」
「…………」
「ただ、それ自体が楽しくなって君にどんどんハマるなんて考えてもみなかったけどね」
人を試すようなことしないと信頼を得られないのだとしたら、虚しいなって思った。
同時にどれだけ傷ついたらそこまで臆病になるのか、考えると恐ろしくもなる。
あなたは強い。だけど、脆い――。
「あたしのこと、信じてほしいです」
「!」
あたし……バカですが。
あなたのこと、これから大切にしていきたい。
「仕事だとそうもいかないでしょうが……。これからは我慢しないで、あたしには思ったことなんでも言ってくださいね?」
「……ああ」
「この際セクハラでもなんでもいいです。優しくなくてもいい。奏さんが無理のないこと、しましょう。あなたには……心の底から笑ってて欲しいから」
「ほんと可愛い子だね、君は」
「ん、」
奏さんが身体を重ねてくる。
「なんでもいいって言ったね?」
「へっ……」
首に手をまわされる。
(は……はぁ!?)
「ちょっとなにしようとしてるんですか」
「だってなんでもって実知留がいうから」