キングの餌食になりまして。



「なっ……」

「俺もまだまだ若僧だけど。キミみたいな小娘に舐められたくはないんだよねぇ」


――キングだ。


 口元は笑っているが、目は笑っていない。

 こんなにも高圧的なオーラのある男に、あたしは逆らうことはできない。


「実知留ちゃんは、もう少し『上』に対しての振る舞い方を勉強した方がいい」

「……大変申し訳ありません」

「そうそう。そうこなくっちゃ」


 歪んで笑うその顔は、独裁者のよう。

 自分の言いなりにならない者は排除でもする気なの?


「この部屋は綺麗になったの?」

「あ……はい」

「ご苦労様」


 そういってベッドにドサッと腰掛けると、スラリと長い足を組んだ。


 あああ。またシーツ変えなきゃ……。


「それじゃあ汚そうか」

「は……?」

「キミと俺で」

「なにを……言って、」

「ほら。こっちにおいで?」

「っ、」

「躊躇ってるの? 選択の余地ある? 借金まみれの実知留ちゃん」

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