キングの餌食になりまして。




 京極奏は顔だけなら激しくタイプ。

 顔だけ、なら。
 (大事なことなので二回いおう)


 だけどそれを悟られるものか。あたしはそこにいる独裁キングに屈するわけにはいかないのだ。


「実知留ちゃんさぁ。童顔だよね」


 こいつ、人が気にしてることを……。


「中学生みたい」


 中学生は言い過ぎだ。仮にそう見えたとして、そんな女をベッドに誘ってくるアンタはロリコンってことになりますが。


「その割に身体は育ってるよねぇ。たくさん揉まれてきたの?」

「な……」

「それともパット詐欺してたりする?」


 黙れ、セクハラキング。

 やらしい目であたしの胸元を見るな。


 やっぱり最低だこのひと。

 ……って、ドン引いてるのに。


「優しくされたい? 強引なのが好き?」


 やめてドキドキさせないでぇえ……!!

 その美しい顔を近づけるな。


「あはは。面白い。俺が話すたびに表情がころころとかわって。百面相だねぇ」

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