キングの餌食になりまして。



 ごめんなさい、支配人。

 なんの役にも立てないでここを去ることをどうかお許し下さい。

 キングの機嫌を損ねてしまうことで、支配人の立場が悪く、なりませんように――。



「借金チャラにしたくないの?」

「それは……」

「可愛く甘えてみなよ。そのくらい難しくないでしょ」

「できません」

「俺なら君の欲しいもの、なんだって与えてあげるのに。みすみすそのチャンスを払いのけるなんてバカなの?」


 酷い言われようだ。


「あ……あたしにだってプライドくらいあります」

「プライド?」

「お金欲しさに身体を売ったりなんてしません」


 すると、キングは鼻でフッと笑った。


「君はどれだけ自分に価値があると思ってるの。平民以下の君が。俺に抱いてもらえるんだよ?」

「っ、そうやって……」

「なに」


【人を見下すところが大嫌いなんです。】


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