キングの餌食になりまして。
どうしてそんなに平然と話ができるんですか。
わたしだけこんなに挙動不審になってるのも。
それを必死に抑えるのも。
本当に、嫌なんですけど……。
「……っ、物好きですよね。平民以下の『イシコロ』であるあたしに、キングが手を出すなんて。『宝石にする』? なんのボランティアですか。暇なんですか?」
「それじゃ、実知留ちゃん。最後に言い残したことがあればどうぞ」
ハッとしてキングを見る。
なんて、冷たい表情なんだろう。
やばいやばいやばい。
いつものクセで。
我慢できずになんでも言う性格を、ここにきて発揮してしまった。
いくらなんでもキング相手に言いすぎだ。
さすがに……マズ……イ……。
「それじゃ。そのクレームに対応しよう」
(……!?)
てっきりご機嫌ナナメになったとばかり思ったキングが。
「スイートに移動しない?」
にっこりと、微笑んだ。