キングの餌食になりまして。



(なにそれっ……)


 キング……貴方って人は。

 一体、どれがホンモノなんですか?


「にしても。いいもの持ってるねぇ」


 揉むな!!!


「ほんっと……最低……セクハラキング……地獄に堕ちろ……」


 叫んでいいですか全力で。


「やっと見れた」

「はぁ?」

「君のそういう、素の反応が見たかった」

「な、なんですかそれ……」


 ぐっと彼の胸を押し、身体を引き離した。

 慌ててはだけたブラウスを手で抑え、露わになった胸元を隠す。


 恥ずかしくて死にそうだ。


「合格だよ。実知留ちゃん」

「……ごう……かく?」

「もう最高。はなまるあげる」


 あたしに拒絶されたくせに、片方の口角をあげて笑うその顔にゾクリとする。


 なのに、ドキドキが止まない。


 あたしの心は狂ってしまったのだろうか――。

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