キングの餌食になりまして。



「……たっぷり可愛がってあげたいけど、そろそろ戻りますね」


 唇が離されたあと、もっとして欲しくなった。

 支配人はまだ仕事が残ってるというのに、あたしったら……。


「っ、え……と」

「どうしました?」

「怒られませんか……? 京極さんに」


 あたしはここでお留守番させられてるのに、こんなことしてしまって……。


「いや、別に、あたしはキングのものじゃないですよ?」


 それでも。

 あたしとなにかあったのがバレて怒られないかな?


「あはは。怒られるでしょうね」


 怒られるなんて言いながらも、困らずにけろっと笑っている支配人。


「それでも、渡したくないですから。実知留さんを奏には」

「律、さん……」

「愛しています」


 普段は穏やかな支配人の溺愛モード、いただきました。


 尋常じゃないくらい鼓動が速いし体温があがってる、今のあたし。


「支配人と京極さんは……どういう関係なんですか?」

「え?」

「や、その……仕事抜きにしても特別親しいのかなと」


 名前で呼んだりしているし。
 よく知ってるみたいだから……。


「奏とは、子供の頃からの知り合いです」


 なるほど。幼なじみ的な……?


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