キングの餌食になりまして。



 不幸のどん底にいたあたしを救い出してくれたのはイケメン支配人で。

 その支配人と愛し合えるなんて、シンデレラストーリーにも程がある。


「実知留」

「……律さん」


 この人と、生きていきたい。

 まだ知り合ってそんなにたってないから深くは知らない相手だけど、ここで出逢えたのは運命だって思える。


 今だけは、あたしをこんな目に合わせた、ろくでもない父に感謝したい。


「一度くらいなら。抱いてやってもいい」


――!?


「頭の中はスカスカなお花畑のようだが。身体は悪くないからな」

「……り、律さん?」

「ただし。俺は優しくなんてしない」

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