キングの餌食になりまして。



 支配人に口出しできるとしたら、支配人より立場が上で。

 採用に関われるくらいの権利者。


 つまり……。


「そんな……まさか……」

「今頃気づいたか」

「それじゃあ……あのひとは……」

「お前が弄ばれていたと思っていた男が、正真正銘、お前のあしながおじさんだったってわけだ」


――京極さんが、あたしを救ってくれた……?



【扱えないから困ってるんだよ?】


【実知留ちゃんだけは、いち従業員として見れない】


 あれも。


【君さえ望めば、私のたった一人のプリンセスにしてあげるのになぁ?】


 あれも、本気だった……?


「だけど……京極さんは、あたしに酷いこといっぱい言ったのに」

「どんな?」

「とてもあたしに好意があるとは思えないこと……」


 あたしを見下して思い通りにしようとした。

 力づくで。強引に、キスしてきたっ……。


「そんなの。単にアイツに試されてたんだろ」

「試されてた……?」

「俺はアイツの気持ちは理解できないが、考えてそうなことくらいわかる」


 京極さんの考え――?


「教えてください……!!」

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