溺愛プリンス~秘密のフィアンセ~
1.「…私と結婚してください」
『僕は美々ちゃんが大好きだよ。だから、大きくなったら、結婚しようね』


まだ3つの私に、10才の男の子が、薔薇の庭園で、プロポーズをしてくれた。

…でも。

その夢は叶うことはなかった。

だって、その男の子は、次の日、外国に旅立ってしまった。




「…夢」

小さいアパートの一室で目を覚ました私の目には涙が流れていた。

ゴシゴシと目を拭うと、勢いよく起き上がった。

「…就職先に、薔薇の庭園があったせいかも」

そう呟くと、身支度のため動き出した。
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