溺愛プリンス~秘密のフィアンセ~
…成り行きで送ってもらうことになった私だったが、今日、ルーお兄ちゃんの話をたくさんしていたせいか、車の中では、昔話に花が咲いた。

途中、黒塗りの高級車とすれ違った。

まさか、その中にルイが乗ってるなんて知りもしなかったが、ルイは、私たちに気づいていた。

ルイは、驚きを隠せなかった。

…なぜ、ルカが、私と一緒に居るのか?

しかも、とても仲良さそうに。

二人に面識はない筈だった。

ルカは、ルイの双子の弟。

いつも両親と一緒にいたルカ。

ルイは、一人っ子同然だった。

人懐こいルカ。人見知りで、人前に出たがらなかったルイ。

当然両親は、ルカを必要以上に可愛がった。

日本本社は、ルイが引き継いだが、フランス本社は、ルカが引き継いでいた。

独りぼっちのルイが唯一心を許し、愛した美々。

それがなぜ、二人は一緒にいたのか?

…ただ、思い浮かんだのは、よくないことが起ころうとしていることだった
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