溺愛プリンス~秘密のフィアンセ~
「…俺だって、あの家に帰ってきてた。両親について、あちこち飛び回ってたけど、一月の半分はあの家に帰ってた。毎日両親の顔色を伺って疲れて帰ってきたら、いつもは無愛想なルイが、時々凄く幸せそうな顔をしてて…それが何でなのか気になって。両親や俺にも見せたことのないその顔にさせてるのは誰なのかって…ルイが習い事でいない間に、美々たちのことを知って、ルイになりすまして、美々たちに近づいた。それが始まりだよ。
ルイが幸せな理由は、美々だって、直ぐにわかった。
だから、ルイを美々から離したくて、親に頼んで、ルイと二人、フランスに行ったんだ」
突然の外国行きに、美々から離されたルイが、どれ程悲しく苦しんだか。
ルイは、怒りで手が震えた。
「…大人になって、本当なら日本の会社は俺が任される筈だった。だから、美々に先に出会うのは、俺の筈だった。それなのに、フランスの会社を任されて、美々に会うのが遅くなった。
でも、そのおかげで、美々の進路の役に立つことができる。フランスに行こう、美々。君は、こんな狭い世界で生きていくパティシエじゃないよ。あの有名なパティシエが、美々を認めたんだ。広い世界に行こう。俺が、美々の支えになる」
そう言って、私に手を出したルカ。
…冷静に考えれば、こんなに嬉しい申し出はない。
あんなに有名なパティシエに認められるなんて、光栄としか、言いようがない。
ルイが幸せな理由は、美々だって、直ぐにわかった。
だから、ルイを美々から離したくて、親に頼んで、ルイと二人、フランスに行ったんだ」
突然の外国行きに、美々から離されたルイが、どれ程悲しく苦しんだか。
ルイは、怒りで手が震えた。
「…大人になって、本当なら日本の会社は俺が任される筈だった。だから、美々に先に出会うのは、俺の筈だった。それなのに、フランスの会社を任されて、美々に会うのが遅くなった。
でも、そのおかげで、美々の進路の役に立つことができる。フランスに行こう、美々。君は、こんな狭い世界で生きていくパティシエじゃないよ。あの有名なパティシエが、美々を認めたんだ。広い世界に行こう。俺が、美々の支えになる」
そう言って、私に手を出したルカ。
…冷静に考えれば、こんなに嬉しい申し出はない。
あんなに有名なパティシエに認められるなんて、光栄としか、言いようがない。