溺愛プリンス~秘密のフィアンセ~
三枝楓(さえぐさかえで)、35歳。

彼は、父の弟子で、よく家にも来ていた、家族ぐるみで仲良くしていたお兄ちゃん。

「…お久しぶりです、楓さん!わぁ、楓さんが助けてくださるなんて、もう、百人力!」

私の言葉に、楓は可笑しそうに笑う。

「…今回は、あくまでも美々の助手だから。うちのパティシエも何人か連れてくるから、その時にまた、紹介するよ」

「…はい、宜しくお願いします」

「…良かった。上手くやれそうだね」

シェフの言葉に、私は頷いた。

「…デザートの種類は、二人で相談して決めて。料理はこれらを出そうと思ってるから、参考までに」


すでに決められたメニュー表を受け取り、楓と話をした。

…気がつけば、深夜になっていた。
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