溺愛プリンス~秘密のフィアンセ~
…次の日。

2名予約のお客様、そしてこの日誕生日を迎える方のために、シェフは最高の料理を。

私は最高のバースデーケーキを作っていった。

先に出来上がったのは、私のケーキ。

シェフは、お客様に温かい出来立ての料理を出すため、下ごしらえだけを終えていた。

「…私の方は終わりましたが、何か雑用があったらお手伝いしますが」

「…ありがとう、だが、後は一人で出来るよ。それより」

そういいかけて、シェフは一度奥の更衣室に消えると、まもなくして、紙袋を持って、再び現れた。

「…あの?」

その高級ブランドのロゴがなされた紙袋を目の前に差し出され、首をかしげる。

「…今からこれに着替えてきなさい」
「…ぇ、でも、どうして」

「…オーナー命令。早くしないと、お客様がお見栄になるから」

強引に押し出され、更衣室に行く羽目に。

訳がわからないまま、紙袋から中身を取り出すと、目を見開いた。

真っ白なワンピースに、それに合う白のハイヒール、更には、ネックレスとイヤリングまでもが入っていた。

困惑しつつも、『オーナー命令』という言葉に、渋々それを身に付けた
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