溺愛プリンス~秘密のフィアンセ~
…その晩、ルイの宣言通り、本当に部屋に泊まった。

男女の一線を越えることはなく、ただ、私を抱き締めて眠ったルイ。

明け方、頭を撫でられる事に気づいて目を覚ました。

「…ルイ、さん?」
「…ゴメン、起こした?」

「…ううん、目が覚めただけです…何時から起きてたんですか?」
「…」

ん?何の返事もない…まさかと思うけど。

「…寝てないんですか?」
「…ん?んー…美々の寝顔が可愛くて、
ずっと見てるうちに朝になってた…」

と、言ったルイは、何だか気恥ずかしそうに、照れ笑い。

それがあんまり可愛くて、私はルイに抱きついた。

「…美々?」
「…ルイさん、可愛すぎです」

私の言葉に、ルイはフッと笑うと、私を抱き締め返した。

…この日以来、度々ルイは私の部屋に泊まるようになった。

仕事が忙しくて、レストランにはこれなくて、少しでも顔が見たい、一緒にいたいと言うルイ。

それは、私も同じ気持ちで、二つ返事でそれを受け入れた。

そんな幸せな時間を過ごしていた矢先、大きなスキャンダルが、テレビや雑誌で報道されることに。












『北条ルイ×澤田汐音熱愛?!結婚秒読みか?』
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