溺愛プリンス~秘密のフィアンセ~
7.「…結婚するって言ってください」
それから、本当に、ルイと私は会えなかった。
加熱報道は益々激化し、それに比例するように不安も増していった。
仕事中は何とか集中出来ていたが、それが終わると、力尽きたように、覇気のない顔で自宅に戻る日々。
見かねたシェフが、私を休ませようとしたが、気が紛れるから、仕事に支障はきたさないようにするからと、懇願した私を見て、もうそれ以上、シェフは、私に何も言わなかった。
鳴らないスマホ。
メールをしても、返信もない。
…もう、ルイは、私のことなど、どうでもよくなってしまったのか?
…定休日の朝、眠れないまま朝を迎えた。なにもする気が起きなくてただ、ぼんやり座っていた。
…連絡しなくなって半年。
涙も枯れてしまったようだ。
…インターホンが、誰か来たことを知らせる。
「…?!」
もしかしたら、ルイが会いに来てくれたのかもしれない。
淡い期待を抱きつつ、私は勢いよくドアを開けた。
「…ルイさん!…」
「…わっ。…ゴメン、北条さんじゃない」
…訪ねて来たのは、楓だった。
私は力なく笑って、楓に謝罪する。
「…ごめんなさい、勘違いでした」
私の頬に、楓はそっと手を当てた。
「…無理して笑うな。目の下にこんなに大きなクマ作って…全然寝てないんだろ?」
楓の優しさが、枯れた心に染み渡る。
…まだ、涙は枯れていなかったのか。
泣き崩れる私を、楓はひしと抱き締めてくれた。
加熱報道は益々激化し、それに比例するように不安も増していった。
仕事中は何とか集中出来ていたが、それが終わると、力尽きたように、覇気のない顔で自宅に戻る日々。
見かねたシェフが、私を休ませようとしたが、気が紛れるから、仕事に支障はきたさないようにするからと、懇願した私を見て、もうそれ以上、シェフは、私に何も言わなかった。
鳴らないスマホ。
メールをしても、返信もない。
…もう、ルイは、私のことなど、どうでもよくなってしまったのか?
…定休日の朝、眠れないまま朝を迎えた。なにもする気が起きなくてただ、ぼんやり座っていた。
…連絡しなくなって半年。
涙も枯れてしまったようだ。
…インターホンが、誰か来たことを知らせる。
「…?!」
もしかしたら、ルイが会いに来てくれたのかもしれない。
淡い期待を抱きつつ、私は勢いよくドアを開けた。
「…ルイさん!…」
「…わっ。…ゴメン、北条さんじゃない」
…訪ねて来たのは、楓だった。
私は力なく笑って、楓に謝罪する。
「…ごめんなさい、勘違いでした」
私の頬に、楓はそっと手を当てた。
「…無理して笑うな。目の下にこんなに大きなクマ作って…全然寝てないんだろ?」
楓の優しさが、枯れた心に染み渡る。
…まだ、涙は枯れていなかったのか。
泣き崩れる私を、楓はひしと抱き締めてくれた。