溺愛プリンス~秘密のフィアンセ~
8.「…貴女をここから連れ去ります」
…ニューヨークに来て、幾日が過ぎただろう?
ぽっかりと空いてしまった心の穴は、今もなお、埋まることはない。
それでも今は、少しは笑えるようになったかもしれない。
それは全て。
「…美々」
「…ぁ、楓さん」
厨房の外に置かれた材料を抱えて、中に入ろうとしていた私に楓が駆け寄ってきた。
さっと、材料を取り上げると楓は優しく微笑んだ。
「…重たいものは、俺が持つって言ってるだろ?そんな体で無理なんだから」
…そんな体?
そう、数日前、仕事中に不注意で足をくじいてしまい、捻挫をしてしまっていた。
「…ありがとうございます、楓さん」
素直に礼を言うと、楓はそっと頭を撫でて、荷物を中へ運んで行く。
私は慌ててドアを開けてあげると、楓は嬉しそうに微笑んで礼を言った。
「…ありがとう」
「…こちらこそありがとう」
礼を返すと、楓は驚いた顔をした。
「…どうして美々が礼を言うの?」
「…なんとなく、です」
皆まで言わず、私は仕事に戻った。
ぽっかりと空いてしまった心の穴は、今もなお、埋まることはない。
それでも今は、少しは笑えるようになったかもしれない。
それは全て。
「…美々」
「…ぁ、楓さん」
厨房の外に置かれた材料を抱えて、中に入ろうとしていた私に楓が駆け寄ってきた。
さっと、材料を取り上げると楓は優しく微笑んだ。
「…重たいものは、俺が持つって言ってるだろ?そんな体で無理なんだから」
…そんな体?
そう、数日前、仕事中に不注意で足をくじいてしまい、捻挫をしてしまっていた。
「…ありがとうございます、楓さん」
素直に礼を言うと、楓はそっと頭を撫でて、荷物を中へ運んで行く。
私は慌ててドアを開けてあげると、楓は嬉しそうに微笑んで礼を言った。
「…ありがとう」
「…こちらこそありがとう」
礼を返すと、楓は驚いた顔をした。
「…どうして美々が礼を言うの?」
「…なんとなく、です」
皆まで言わず、私は仕事に戻った。