忘れられた未来
「ゴンザレスも挨拶出来るようになったのか。偉いな。」
御田は私のテーブルの上にある籠ごしに、ゴンザレスに笑顔を送った。
「うん。挨拶はだいたい覚えたみたいなんだ。」
そっかぁと納得してくれたご様子。
パソコンの電源を落とし、鞄を手に取る。
「そろそろ帰るわ。」
秋になった空はもう真っ暗だ。
「そっかぁ。気をつけて帰れよ!」
いわゆる御田専用机に座って、果汁100%並の笑顔で手を振ってくれた御田。
「うん。じゃあね。」
「バイバイ。サユリ。」
私が言うとゴンザレスまでさよならをしてくれた。