素敵な王子様の育てかた。
着替えを済ませて、部屋を出る。
机で寝ていたからか、身体のあちこちが痛み、ついそれを耐えるような声が漏れてしまう。
「おはよう、ララ」
「おはよう、……セリス」
「あら?少し顔色が悪いようだけど大丈夫?」
セリスは私の顔を見るなり、心配そうに言った。
どうやら顔にも出ているらしい。
鏡も碌に見ず、ここに来てしまったから気づかなかった。
「あ、ええ。昨日ちょっと夜更ししてそのまま机で寝てしまったの。だからか少し身体が痛くて、それが原因かもしれない。でも問題ないわ」
「なにか調べ物でも?あまり無理をしてはいけないわよ。侍女は身体が資本なんだから」
「……そうよね、これからは気をつけるわ」
ごもっともな意見だ。
こんなことで倒れたら、王子どころか周りにも迷惑をかけてしまうのだから。
素直に反省した。