素敵な王子様の育てかた。
王子に頭を下げ、部屋を出る。
廊下に出るなり、私は小さく拳を作って「よし!」と声を上げた。
王子が自分の意思で会うと言ってくれたことが、素直に嬉しい。
ほんの少し前まで人と会うことすら拒絶していた人間が、ここまで成長できた。
着実に前へと進んでいるのだと分かって、それがなによりも嬉しくて仕方なかった。
逸る気持ちでセリスの元へ向かい、伝える。
王子の返事に、セリスもまた笑顔を零した。
「本当!?良かったわ!リフィト王子、とても期待されてらっしゃったから。じゃあ、私も早速リフィト王子に伝えてくるわね!」
「よろしくね、セリス」