素敵な王子様の育てかた。
――こうして正式にリフィト王子とのお茶会が、3日後の昼過ぎに行われることになった。
その間、王子はそわそわしながら部屋の中を歩き回ったり、落ち着いたかと思えば爪を噛む仕草をしたりと、普段にはない行動をしていた。
緊張しているのか、はたまた不安がっているのか。
血の繋がった弟と会うだけなのに、ここまで王子が変わってしまうのは、やはりリフィト王子との間になにかがあるとしか考えられない。
「どうなさったのです?王子」
たまらず私は王子に聞いた。
ちょうど窓の外を見つめながら、爪を噛む仕草をしていたときだった。
ビクッと少し体を跳ねらせた後、口元の動きが止まる。
「え?なにが?」
「少しおかしいですよ?その、妙に落ち着きがないというか、怯えているように見えて」
「そうかな、いつも通りだと思うけど」
王子は口元から手を離し否定するが、表情を見る限りそれが本音ではないことは一目瞭然。
明らかに動揺している。