素敵な王子様の育てかた。
それから2日の間、寝起きを繰り返しながら徐々に体調を戻し、3日目、ようやく今まで通り動けるまでに回復を成す。
初めはスープしか口にできなかったのが、少しずつ食べられるようになり、身体に栄養がまわれば自然と体調は良くなっていった。
それでも周りからは、まだ休んでいたほうがいいと言われていたが、さすがにこれ以上迷惑はかけられないし、なにより夜会まであと4日しかない。
それまでに準備することはたくさんあった。
だからなおさら、休んでいる暇なんてなかった。
朝、いつも通り侍女服に着替え、部屋を出ようとノブに手をかけたところで、扉が叩かれる。
開けるとそこには王妃様の姿。
朝早いというのに、しっかりと髪を整え、赤いベルベットのドレスを着ている。
相変わらず美しい。
一瞬見惚れてしまったが、すぐに気を取り直して私は朝の挨拶と共に、礼をした。
「おはようララ。体調はもう大丈夫なの?」
「心配をおかけして大変申し訳ありませんでした。体調はもう、問題ありません。こんな忙しい時にこのようなことになってしまって、なんと謝罪したらいいのか……」
「なに言ってるの、ララ。病気になるのは仕方ないわ。どんなに気をつけてもなる時はなるんだから。ララが倒れてしまったのは、私が無理をさせてしまったからよね……。本当にごめんなさい、あなたの身体のことも考えずに無理難題ばかり言ってしまって」
申し訳なさそうに謝る王妃様に、恐縮してしまう。
こんな風に困らせるつもりなんてなかった。
もう少し私がしっかりしていれば、こんなことにはならなかったのに。