素敵な王子様の育てかた。
9大団円!?
「――……は?」
その言葉は、私の頭の中を真っ白にするのに十分過ぎた。
もちろん周りにいる人間も、あまりの衝撃的な発言に空気が固まる。
誰が、誰の婚約者ですって……?
……私?
私が?
私が王子の婚約者……?
そんなこと、信じられるわけもなかった。
だって王子は王妃様が決めた別の令嬢がいて、今日その顔合わせも兼ねて参加しているんだもの。
なのに、なぜそんな突拍子もないことを言うの?
この場で発言するにはたちの悪い冗談よ。
「……王子、からかうのはいい加減にしてください。いくら私でも、さすがにそれは傷つきます」
「冗談なんかじゃない。俺は本気だよ。ララを妻にしたい」
「なっ……!」
顔が一気に紅葉する。
これまでこんな積極的な人ではなかったのに、なぜいきなりこんな……!
動揺し過ぎて、心臓が持たない。
あまりの激しさに倒れてしまいそうだ。