素敵な王子様の育てかた。
2引きこもりの王子
……なんてこと。

気づいたときには、すでに馬車は城の前に着いていた。

おかしい。
屋敷から城までは馬車でも一時間はかかるはずなのにどうして。

と疑問に思ったが、その疑問はすぐに解決された。


――なぜなら、私はあのまま寝てしまったのだから。


これに関しては不覚だった。

まさかあれだけ緊張して、しかも不安に思っていたはずなのに、目を閉じたらそのまま寝てしまうなんて、傍から見たらリラックスしすぎでしょうが!!

しかも到着して馬車が止まっても起きないって!
使いの者に身体を揺すられないと目が覚めないって!

起こしてくれた使いの者も、半分笑いながら声をかけた始末。

ま、まああれよ。
疲れていたのよ。ここずっと忙しかったから……。

と言い訳しながら、馬車を降りた。


そしてそのまま使いの者に案内されながら、城内へと入る。

もちろん中は入口から大きく広い。

夜会で何回か訪れているから、それについてはもう驚きはしないのだが、でもこれからここで生活するのかと考えると、また特別に見えてしまう。


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