素敵な王子様の育てかた。


「――さて」

王妃様は私の向かいに座ると、早速会話を切り出した。



「まずは、私のわがままを聞いて下さって感謝するわ。本当にありがとう。これはあなたにしか頼めないと思っていたから、とても嬉しいのよ」

「い、いえ。王妃様からのお話とあれば、受けないという選択はございません。けれどなぜ私なのです?」

「それはね。あなたの手紙を毎回読んでいてのことよ。いつも熱のこもったお手紙を下さって、どれだけ救われ、嬉しく思ったことか。今でも書いていられるのは、あなたがいたからと言っても過言じゃないくらい」


まさか私の手紙を、王妃様がちゃんと読んでくれていたとは思わず、喜びにまた胸が熱くなる。

幸せのあまり、その場で転げ回ってしまいそうになるのを、必死に抑えた。


「そんな至極のお言葉……!私こそ、あんな素敵なお話を書いて下さって、王妃様には感謝しても感謝しきれないほどでございます!今の私があるのも王妃様のおかげですわ!」


この思いを言葉で言い表すには足りないほど。
それでも、今言える最大限の言葉を王妃様に伝えた。


しかしそれはそれ。
今回の話と、なんの関係があるのだろう?


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