素敵な王子様の育てかた。
「で、話の続きね。それであなたがウェルバート伯爵家の次女で、未婚で読書好き。それなりの教養も持ち合わせていて、さほど内向的でもない。年齢も身分も申し分ないことから、あなたにライトの侍女をお願いしたいと思ったのよ」
私の知らないところで、そこまで調べあげていたとは。
まあ、王子……、しかも次期国王の侍女になるのだから、そのくらいはして当たり前なのだろうけど。
「なによりも私の作品をこよなく愛してくれる、ここが一番の決め手よね。ずっとあなたとお話してみたいと思っていたし。お城にいたら、色々としやすいじゃない?」
って、そこ!?
一番は王妃様の個人的な理由から!?
ま、まあそれだけ王妃様に思われているのは、とても光栄なことだけど……。
「それに、ちょっと気難しい子なのよね。今まで2人ほど自ら申し出て侍女を務めた令嬢はいたけれど、みんな早々に辞めちゃって。自分からやると言って根性がないというか。その点、あなたは心配なさそうだし」