素敵な王子様の育てかた。

……と、言われましても。

私が王妃様に手紙を送り続けられたのは、好きだからであって、書くことが苦痛ではなかったからなわけで。
それを根性があると言われると、どうなのか。

しかも早々に辞めたって、それは根性云々の話ではなく、王子様になにかしら問題があるのでは?

自分からやると言って意気込んだ人ができないことを、果たして私ができるかどうか……。


「かなり不安なのですが、大丈夫でしょうか?私も正直、王妃様が言うほど根性など……」

「大丈夫よ!会って話してみて、ますます確信したわ。あなたなら絶対にできる!お給金だって弾むし、新作ができたら真っ先にあなたに読ませてあげる特典付きよ!これならど「やりますっ!!」」


王妃様が話し終わる前に、つい勢いで答えてしまった。

新作が真っ先に読めるですって!?
そんなこの上ないいいお話、そうあるわけがないわ!!


王妃様は私の答えを受け、してやったりとニンマリ笑った。


「契約成立ね。よろしく頼むわよ、ララ」

「……っ、はいっ!お任せください、王妃様!」


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