素敵な王子様の育てかた。
それから丸々一日、みっちりとセリスにつき、リフィト王子の世話をこなした。
その一日で分かったことは、リフィト王子は基本的に王族服でも派手なものを好み、人と話すことがとても好きなようで、セリスはいい話し相手になっていた、ということ。
もちろん口説き文句のような、甘い台詞を加えるのも欠かさない。
上手くかわすセリスとは反対に、真に受けて赤面する私。
リフィト王子はそんな私を面白がって、わざと褒め言葉を言っては、セリスにたしなめられる。
侍女なのにたまに立場が逆転しているときもあり、でもリフィト王子はまったく気にもしていないようで、むしろそんなやりとりを楽しんでいるようにも見えたから、このふたりはとてもいい関係を築いているのだろう。
セリスが"楽しくやっている"と言った意味がよく分かる。
……しかし、今日一日リフィト王子の侍女をしてみてだけど、明るくて話しやすくて、ライト王子と本当に兄弟なのか?と思うほど、リフィト王子は似ていない。
まあ、あの容姿で似ているか似ていないかなんて、判断つきにくいけれど。
どうやったらここまで正反対に育つのかしら?
与えられた環境はほぼ一緒。
違うのは先に生まれたか後かだけの違いなのに。