素敵な王子様の育てかた。
まあ、あれだけの違いがあるってことは、なにかしら理由があるのかもしれないわね。


その理由さえ分かれば、もしかしたら先が見えるのかもしれないが……、果たしてそこまで私が務まるのか分からないけれど。


すべての仕事を終え、部屋へと戻る。
着替えをせずに、そのままベッドへとなだれ込んだ。

今日一日の疲れと、明日からの不安。
無意識に大きなため息が吐き出された。

「いよいよ明日からか……」

天井を見つめて、おもむろに呟く。


明日の今頃、私はどんな状態でここへ戻って来ているのだろうか、考えても想像もつかない。


果たして侍女の仕事が務まるのだろうか。

不安と緊張ばかりが私を取り巻く。


けれど、ライト王子の侍女となってしまった以上、やれることの精一杯はやるしかないのだわ。



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