素敵な王子様の育てかた。
「……しまった」


同じような後悔は、早くも二回目のこと。

きっと眠れずに、もやもやとした気持ちの中で朝を迎えると思っていたのだが、現実はしっかりと寝て頭もスッキリ、昨日の疲れも残っておらず身体も軽い。


よくこんな気持ちでも平然と熟睡できてしまうわよね!

あれだけ不安だったんじゃないの?私!


自問自答するが、どうやら思った以上に根性は居座っているようだ。

あるいは、なるようにしかならないと開き直ったのがよかったのもしれないが。


外から鳥のさえずりだけが聞こえ、清々しい朝だ。

太陽は出ているがまだその位置は低く、朝は始まったばかり。


寝坊しなくて良かったと安心しつつ、急いで準備を始める。


着替えもせず侍女服で寝てしまったため、服は皺くちゃ髪ボサボサ。

まずは顔を洗い、髪を少し濡らして整え、替えの侍女服に着替える。


そして軽く化粧をし、脱いだ侍女服を手に部屋を出た。



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