素敵な王子様の育てかた。
城内は静かで、時折すれ違う使用人同士の挨拶が聞こえる程度。
主要な人間たちはまだ起きていないようだ。
そのまま私は侍女の休憩室へ。
部屋にはセリスのほかに何人かの侍女がいて、私の朝の挨拶に明るい声で返してくれる。
みな穏やかな空気で、それなりに充実した侍女生活を送っているのだと感じた。
「おはよう、ララ。いよいよ今日からね、頑張ってね」
「ええ、セリス。どうなるか分からないけれど、なんとか頑張ってみるわ」
そんな会話を交わしながら、それぞれの持ち場に散らばっていく。
私も手に持った侍女服を洗濯係に預け、緊張した面持ちで、そこへと向かった。