素敵な王子様の育てかた。
朝だというのに、やはりそこは薄暗い。

どうやらその部分だけ、一日中光が入らないようだ。

国王様初めほかの家族たちは、みな日当たりのよい部屋にいるのに、ライト王子の部屋だけは日の当たらない端の部屋。

明るい部屋に移動すれば、きっと気持ちも少し変わるだろうにと考えつつ、扉を叩く。


「おはようございます、ライト王子!朝です、起きてくださいませ!」


案の定、その言葉に対しての反応はない。

私は繰り返し扉を叩き、同じ言葉を繰り返した。


王妃様のときは何回か同じ行動ののち扉が開いたのだが、今回はいくらやっても反応どころか、動くような気配すら感じられない。


しん、とした静かな時間が流れるだけだった。



「……嫌がらせかしら」


ついそんな本音が漏れる。


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