素敵な王子様の育てかた。
休憩室に戻ると、その時間を利用して朝食を摂った。
そして洗濯されたシーツや洋服を、持ちやすいように畳んで重ねておく。
続けて王子の予定を確認。
さすが部屋から出てこないとあって、ほぼ真っ白だった。
それだけではさほど時間を稼げなかったので、休憩室を軽く掃除したり、少し休憩したり。
そうしてようやくちょうどいい時間が訪れた。
私は畳んだシーツ類を手に休憩室を出る。
城内はだいぶ賑やかさを増していた。
どうやら今日は訪問客が来ているようで、より使用人の行き来は多い。
見張りの兵士の目をより厳しくなっていて、そんな彼らに労いの思いも込め軽く会釈をしながら、ライト王子の元へと向かった。
……とはいえ、あいかわらずライト王子の部屋の周りは薄暗い。
訪問客が来たことで、城内の空気も甘ったるいような香水が混じった匂いを、どことなく感じていたのだが、ここにくればやっぱりほんのりとかび臭い。
同じ空間にあり、ほんの少しだけ離れているだけなのに、この違いはなんなのだろう?
やはり光りがあたらないのが原因?
そんなことを考えながら、私は再度扉を叩いた。