素敵な王子様の育てかた。

言葉に詰まる王子。
どうやら自分でも自覚しているらしい。

私は畳みかけるように言葉を続ける。


「王妃様を含め、みな王子が変わられることを望まれているのです。私が侍女となり、これまでの仕打ちがあっても未だ侍女としてとどまっているのは、その使命を果たすためでもありますわ。私がきっかけになればと……!ですから、もう抵抗をしても無駄です!諦めて身の回りの世話をさせて下さいませ!」


「ぐっ……!お、お前になにができるというんだ!世間も知らないただの貴族令嬢が!」


「それは王子も同じではありませんか?部屋から出ない王子に、世間のなにがわかると言うのです!」



王子の発言はすべて私の言葉で論破され、そのたびに言葉に詰まり困惑していた。


本当、失礼なことを言う王子よね。

世間知らずなんて、今の王子が最たるものじゃないの。



今の生活が保たれているのも、国民が必死に働いているからゆえのものなのに。

そんなことも分からずに、国王になれるとでも思っているのかしら!?

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