素敵な王子様の育てかた。
しかし、生まれ変わった部屋を見ても特に驚くような反応はない。

むしろ、


「……落ち着かない」

そう言ってベッドに向かうと、真新しいシーツにくるまって横になってしまった。


「それだけですか?」


感謝のひとつもないものだから、悔しくて聞き返す。


「別に、綺麗にしてくれと頼んだわけじゃないし」


なんとまあ、人の努力を水の泡にするような言葉を吐くのだろう。

普通ならこんな綺麗な部屋になったんだから、喜ぶもんじゃないの?


「ああそうですか、それは申し訳ありませんでした!けれどこれで私は仕事がしやすくなりましたわ!では今から夕食の準備をして参りますから、横になっていても構いませんが、寝ないで下さいね!」

言葉を投げつけるように王子へ言うと、部屋をあとにした。


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