素敵な王子様の育てかた。

……楽しい?

なんとも返答に困る質問である。

答えは簡単じゃないか、別に好き好んでやっているわけではないし、楽しくはない。

素直に話していいものだろうか?
それとも少し遠慮して『そんなことはない』、と答えるべきだろうか。

頭を悩ませ、そして出た答えは。


「楽しいわけがないでしょう?そう王子の目には映ります?」


オブラートに包むわけでもなく、ハッキリと本音を告げてしまった。

自分でも可愛げがないと言ってから思うが、現実楽しくはないのだから仕方ない。


「まあ、そうだよな」

「ええ。聞くまでもなく」

「じゃあ、なんで面白くもないのにやり続けている?こんなこと、自分の人生の無駄だと思わないか?」



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