素敵な王子様の育てかた。
「――ライト王子」
外は闇に包まれ、城の大広間では夜会が始まったらしく、音楽が薄っすらと聞こえてくる。
そんな中、ひとり部屋で夕食を摂る王子に、私は声をかけた。
「……なに?」
「お聞きしたいことがあるのですが、よろしいですか?」
そう尋ねると、王子は持っていたフォークをテーブルに置き、面倒くさそうな表情を浮かべながら頷いた。
「王子は、毎日この部屋でなにをしているのです?」
……なんて、そんな質問も私が侍女を始めて、王子の過ごし方を見ているから聞くほどのものでもない。
けれど、王子の口からちゃんと聞いてみたかった。
「なにって、見ての通り。なにもしない」
「それは私がここに来る前も?」
「まあ、そうだね。あまり変わらないよ、たまに本を読むくらいかな」
ぶっきらぼうに答えるのかと思いきや、意外と素直に受け答えてくれたことに驚いた。
普通に会話出来るじゃない。
てっきり口下手なのかと思っていたけれど。
そして王子は本を読むのだという。
そんな姿、私が王子と接するようになってから一度も見たことがなかったものだから、それにも重ねて驚いてしまった。
外は闇に包まれ、城の大広間では夜会が始まったらしく、音楽が薄っすらと聞こえてくる。
そんな中、ひとり部屋で夕食を摂る王子に、私は声をかけた。
「……なに?」
「お聞きしたいことがあるのですが、よろしいですか?」
そう尋ねると、王子は持っていたフォークをテーブルに置き、面倒くさそうな表情を浮かべながら頷いた。
「王子は、毎日この部屋でなにをしているのです?」
……なんて、そんな質問も私が侍女を始めて、王子の過ごし方を見ているから聞くほどのものでもない。
けれど、王子の口からちゃんと聞いてみたかった。
「なにって、見ての通り。なにもしない」
「それは私がここに来る前も?」
「まあ、そうだね。あまり変わらないよ、たまに本を読むくらいかな」
ぶっきらぼうに答えるのかと思いきや、意外と素直に受け答えてくれたことに驚いた。
普通に会話出来るじゃない。
てっきり口下手なのかと思っていたけれど。
そして王子は本を読むのだという。
そんな姿、私が王子と接するようになってから一度も見たことがなかったものだから、それにも重ねて驚いてしまった。