素敵な王子様の育てかた。
だが王子は、私の提案に対して鼻で笑った。


「ハハッ、それしきのことで変われると思うか?いくら外見が変わろうと、中身がこれでは……」

「そんなことやってみなくては分かりません!しかし、今の格好は王族どころか庶民にも劣るみすぼらしさ、それではどうにもなりませんわ!いいですか?あなたは王子なのです、王族としてのプライドを無くしてはいけないのですよ!」

私は王子の話を遮って、言い迫った。
あまりの勢いに、王子は身体を仰け反らせる。

侍女という立場で、本来ここまで王子に物申すこと自体あり得ないが、しかし言わざるを得ない。

だって本当に、王子としての威厳の欠片も感じられないんだもの。

仮に次期国王がリフィト王子に代わることがあったとしても、王族のひとりであることには変わりはないのだから、そのプライドは持ち続けて欲しいと思う。

逃げてばかりではいけない。
王子として生まれた以上、最低限の責務は果たさなければならないのだ。

「プライド……」

「ええそうです、プライドです!そしてあなたが引き篭ることによって、この国の名までもが落ちていくことに早くお気づき下さいませ!」




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