素敵な王子様の育てかた。
6さあ、変わりましょう!
まずは身なりを整えましょう
翌朝、早速行動を開始。
挨拶もそこそこに、私はセリスに理容師の手配はどうするのかを聞く。
「え?今なんて言ったの?ララ」
「ですから、理容師をお願いしたいのです。今日の昼過ぎにでも来られる方はいらっしゃいませんか?」
「ちょ、ちょっと待って、誰が髪を切るの?あなた?」
「いえ、ライト王子ですが」
「ら、ライト王子!?」
セリスは心底驚いていた。
無理もない。
あのライト王子が他人に髪を切らせることは元より、これまで外部との接触を拒んできたのだから。
それを理容師を呼んでくれなんて言ったら、信じられないのも当たり前だ。
「それならリフィト王子が信頼を置いている、腕のいい理容師にお願いできるけど……。でも、本当なの?嘘じゃないわよね?」
「嘘じゃありませんわ。たしかに私のこの耳で、王子の口から聞いたのです。『俺は変わる』と。ですから、気の変わらないうちに早々と身なりを小奇麗にしたいと思いまして」
「そうなの……!?なら、今すぐ手配するわ!ああ、なんてこと。こんな日が来るなんて思いもよらなかったわ!リフィト王子にも報告しないと!」