素敵な王子様の育てかた。
セリスは高揚して足早に休憩室を出ていき、そんなセリスの後ろ姿を見届けた後、王子の着替えを手に部屋へと向かった。
扉を叩き声を掛けると、珍しく王子から応答がある。
王子はすでに起き、部屋のカーテンを開けていた。
「お、王子!?」
「おはよう、ララ」
目を丸くして驚く私に、王子は朝の挨拶を掛ける。
顔を隠していた髪も後ろで束ね、髭こそ生えてはいるが、目鼻立ちのハッキリとした美しい顔がそこにはあった。
思わずドキリとしてしまう。
変わると気持ちを新たにしてくれたのはいいけれど、にしてもこの極端さ。
こんな簡単に起きられるのなら、もっと前から起きたらよかったじゃないか。
「お、おはようございます王子。今日は早起きですのね」
「俺もやるときはやるんだよ」
少し嫌味を含んだ言葉を掛けるが、王子は爽やかに返す。