王子様とハナコさんと鼓星


***

総支配人と副支配人はそれから10分ほど経過してから2人揃って社長室を訪れて来た。


結婚する事、その過程を嘘を交えて説明をする。さらにすぐに退寮をする事や仕事を3月末まで続け退社の意向を伝えた。


終始唖然としながら聞いていた2人。何も言わず、私と社長を交互に何度も見つめたのち、満面の笑みを浮かべて拍手喝采。


「ついにこの日が来ました!おめでとうございます!」と、叫びながら立ち上がると私の手を掴み何回も振り回すような握手を繰り返した。


反応が薄かったため、てっきり考え直せなど言われるかと思っていたのに、私の予想とは違った。


良かったと安心したのもつかの間、根掘り葉掘り、何処が好きなのか、付き合うきっかけはなんなのか、何処でデートをしたのか、プロポーズはなんなんだ。


まるで女子会で話すような事を聞かれ答えに困った。社長が上手くフォローしてくれていなければ大変だったかもしれない。
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